みんなのトヨタ生産方式−楽しみながらカイゼンを学ぶ

今日のアプリアイデアは「みんなのトヨタ生産方式」です。
「ソーシャル・トヨタ生産方式」だと少し堅い(というか"地域社会に根ざした調達方針や生産活動に基づく"云々でホントにそういう方式がありそうな気さえする)ので、"みんなの"。

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トヨタ生産方式の意味は↓
http://www2.toyota.co.jp/jp/vision/production_system/index.html

トヨタ自動車のクルマを造る生産方式は、「リーン生産方式」、「JIT(ジャスト・イン・タイム)方式」ともいわれ、 今や、世界中で知られ、研究されている「つくり方」です。「お客様にご注文いただいたクルマを、より早くお届けするために、最も短い時間で効率的に造る」 ことを目的とし、長い年月の改善を積み重ねて確立された生産管理システムです。 トヨタ生産方式は、「異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない」という考え方(トヨタではニンベンの付いた「自働化」といいます)と、 各工程が必要なものだけを、流れるように停滞なく生産する考え方(「ジャスト・イン・タイム」)の2つの考え方を柱として確立されました。 「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」の基本思想によりトヨタ生産方式は、1台ずつお客様の要望に合ったクルマを、「確かな品質」で手際よく「タイムリー」に造ることができるのです。


また、wikipediaによると


トヨタ生産方式では、ムダを「付加価値を高めない各種現象や結果」と定義している。このムダを無くすことが重要な取り組みとされる。ムダとは、代表的なものとして以下の7つがあり、それを「7つのムダ」と表現している。1. 作り過ぎのムダ 2. 手待ちのムダ 3. 運搬のムダ 4. 加工のムダ 5. 在庫のムダ 6. 動作のムダ 7. 不良をつくるムダ 「手待ち(てまち)のムダ」は、「手持ち(てもち)のムダ」と誤表記・誤解される場合がある。また、上記のムダを改善しないことを8つ目のムダとすることもある。「加工」の「か」、「在庫」の「ざ」、「作りすぎ」の「っ」、「手待ち」の「て」、「動作」の「と」、「運搬」の「う」、「不良」の「ふ」、と頭文字を取れることから、「飾って豆腐」とも呼ばれている。

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「みんなのトヨタ生産方式」は、一言で言えば自動車工場経営シュミレーションゲーム。
あなたはトヨタマンになって、トヨタ生産方式カンバン方式)による効率的な自動車生産を軸に、トヨタ車のシェアUPや工場城下町の発展を目指します。
上に引用した「飾って豆腐」の7つのムダをできるだけ無くして、高品質のクルマをたくさん市場に届けるのです。



※写真はシムシティ


工場内の生産ラインのみでゲームが完結するのではなく、シムシティのような都市経営の要素も加えたら非常におもしろそう
スタート当初はカローラプリウスなど既存の車を生産していきますが、レベルが上がると自分が企画したクルマをラインに流して販売でき、それが街を走るようになる
あまりにスポーツカー趣味に走ると環境志向や節約志向の高いユーザーからそっぽを向かれたり、不良が活性化して町の犯罪率が上がる(笑)かもしれませんし、かといってエコカー一辺倒だと人々はクルマに憧れなくなってしまったり、競争心が無くなって一人当たりGDPが下がったりします(現実もそんな感じですね)。
豊田市ではトヨタの経営と市の経営が大いにリンクしていますが、そのエクストリーム版/デフォルメ版をアプリ上に再現するのです。


ソーシャル性としては、例えば友達と協力してライン作業をすると生産速度が上がるようにしたり、あるいは友達の商品企画書(設計書)をもらうと、同じクルマを自分の工場でも作れるようにする。
ライバルの工場の工場長を高額で引き抜いたり、カンバン(使用した部品の補充を知らせる「帳票」)をごちゃ混ぜ(極悪非道ですね)にしてしまうなどのいたずら/お邪魔要素も欲しい
車を組み立てるためのパーツ交換もいいですね。

サン牧やシムシティなど広義の経営系シュミレーションゲームのアプリは他にもたくさんあるので、それらのゲームシステムも大いに参考に出来そうです。

その一方で、システムをとにかく単純にすることも求められます(特にシュミレーション系のソーシャルゲームはそうでしょう)。
以前も見たように、サン牧が流行した理由は単純なゲームシステムにうまくソーシャル性を乗っけたことなのです。

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では、ソーシャル・スタンプラリーをどうやって"アウォードでウケるアプリ"にするか?
ウケるアプリのポイント①〜⑤に当てはめて考えてみると・・・


①(最近いろいろなものから離れつつある)若者をターゲットにし
・ゲーム内容をできるだけシンプルにし、その中でクルマの仕組みや楽しさを学べるようにする


②(可能な限り)後援企業のプラットフォーム上で動く/バッチリハマるかたちで
③人と人がコミュニケーションしながらクルマの楽しさを再発見し
 

・友達を誘うインセンティブを用意する(パーツに交換できるポイントが貰えたり)
SNS上の友達との協力や競争の要素を組み込む
・車のできるまで〜車のある生活をシュミレーションで経験してもらう
・設計/デザイン〜生産を通して"自分の好きなクルマ"を具体的にイメージしてもらう(選ぶ楽しさ)


④リアルでの購買行動につながるような

・車検やメンテナンス、パーツ交換や新車販売時に、ゲームで使えるパーツやアイテムなどをプレゼントする
トヨタのディーラーやイベントなどへの来場者に、特別なパーツやアイテムなどをプレゼントする
・ゲームの成績優秀者に、トヨタディーラーで使えるクーポンやトヨタレンタカーの無料券などをプレゼントする


⑤ビジネスモデルを兼ね備えた

・有料アイテムでライン増設や工員の回復、パーツやアイテムの購入が出来る(課金モデル)
トヨタの工場見学ツアーとパッケージングする(マッチングモデル)
・工場で作ったクルマをリアルのミニカーにして販売(マッチングモデル/広告モデル)
・同じ内容のゲームの簡易版をGAZOO METAPOLISにも用意し、子供にもアピールする(二次利用モデル)
・コアなゲーマー向けに骨太な本格シュミレーション版を用意し、有料販売する(二次利用モデル)
ソニーユニクロ、あるいはコカコーラやナイキなど他業種のメーカーとコラボし、工場経営シュミレーションアプリのシリーズを構築する(マッチングモデル/二次利用モデル)
・ユーザーがどんな車(形や性能、色など)を作るかを定量的に調べ、一種のユーザー調査とする(○○県在住の20代会社員男性は意外にスポーツカーを好む傾向にある・・・などなど)
↑一昨日紹介したトヨタマーケ・喜馬氏の「ソーシャルサービスでは、単なるWeb調査では吸い上げにくい本音が聞ける 」という発言にも関連します。

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・・・通常、ラインは自動で動きますが、数日間ほったらかしにすると何か異常が起こってラインが止まる。
そして、ユーザーがログインして原因究明&対処をするまでラインは稼動できないようにしたらどうか。

異常が発生したときには自分宛やSNS上の友達に「緊急!ラインが止まっています」などと連絡がいき、お互いにラインの正常稼動を維持・監視する。
そういった仕組みを用意すれば、毎日の継続的なログインを促すことも出来ますね。
まさに、上で引用した"ニンベンのついた自働化(異常が発生したら機械がただちに停止して、不良品を造らない)"のソーシャルアプリ版です。

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「クルマの楽しさ」を、作るところから体験してもらおうという壮大な企画。
これまたイケそうな気がします。

ライン組み立てや町形成などのゲーム要素をもっと深く考える必要がありますが、テーマやねらいは大いにウケそう。
なんといっても、トヨタ以外ではできない(トヨタだからこそやる意味がある)テーマなのですから。


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・まとめ(初めての方や過去記事を参照したい方はコチラ)

http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110326




TOYOTA SOCIAL APP AWARD最優秀賞で東北復興に50万円寄付!

http://justgiving.jp/c/3226