ウケる企画書−フォーマットの"守破離"



今日は企画書("1枚企画書"などではなく、プレゼンソフトを活用した複数枚の企画書を想定)の"型"についてお話します。
以前ご紹介した「販促会議賞」ファイナリストたちの"イケてる"企画書の構成を分析すると、大きく下記の3つに分けることが出来ます。



①ドキドキ型
−「(与件整理)→背景分析・問題提起→企画コンセプト/案→具体策」


与件整理とは、やや広告業界チックな用語ですが、ようするに企画書の提出を求める人や企業(広告会社に対する、クライアントですね)が前提として課す条件を整理するということです。

それらを踏まえ、背景(ヒトモノカネや3CやPESTなどなど)を分析し、問題点/課題点を抽出して、その対策/解決策としてこんな企画はどうですか?というのが典型的な流れ。


例えば↓この企画書が「ドキドキ型」に該当します(というか、第一回販促会議賞ファイナリストの企画書の大半が、この型に大別されます)
http://www.sendenkaigi.com/haward/haward_1st/finalist/images/final09.pdf





②先制攻撃型
−「企画コンセプト/案→(与件整理)→背景分析・問題提起→具体策」


こちらは①の型の順番が変わり、まず企画案・コンセプトを提示してしまうというもの。
「ビジネスではまず結論を言え」の鉄則を企画書にも応用したものであり、社内プレゼンなど、ドキドキ感よりも"わかりやすさ"を求められる機会でよく用いられる型です。
こんな企画はどうやろな?背景分析して見えてきた、こんな課題を解決できるよ。具体的にはこんな感じ・・・という流れ。


僕も会社でつくる企画書ではほぼこの型を使いますが、今回のアウォードは企画書のみで評価されることもあり、ドキドキ型や後述するクリエイティブ型も大いに気になるところ。


例えば↓この企画書が「先制攻撃型」に該当します(背景分析や問題云々はあまり見えませんが、キモはスライドの一枚目に企画コンセプトと内容をガツンと載せている点)
http://www.sendenkaigi.com/haward/haward_1st/finalist/images/final12.pdf



③クリテイティブ型

こちらは上で見たような型にはまったく/あまりあてはまらないもの。
公務員や銀行員が上司に提案する際につかったら左遷リスクが高まりそうな、はなれ技です。

また、クリエーター"ぶりたい人"が定番の"型"を知らずにこれを使っても、中身がスカスカになりそう。
型をふまえ、それを昇華させた結果として型自体を打ち破ったのであれば、その企画書は相手の心に刺さる可能性大です。


例えば↓この企画書が「クリエイティブ型」に該当します
http://www.sendenkaigi.com/haward/haward_1st/finalist/images/final11.pdf





以上見たようないずれの型を使うにしても、まずは「型自体を"知る"」ことから始める必要があります。
企画書の作成に当たっても「守破離」の精神(「守破離とは、能楽を確立した世阿弥の教えで、最初は基本を忠実に守り、次にそれを応用、最後は型から離れるというプロの成長過程を表すもの)が応用できる。
理想的な形で型から"離れ"られれば、あなたのアイデアはもっと深く理解してもらえる(共感してもらえる)かもしれないのです。


第一回販促会議賞グランプリに輝いたのは、何を隠そう「クリエイティブ型」として紹介した「シークレットメッセージ」なのですから。

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・まとめ(初めての方や過去記事を参照したい方はコチラ)

http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110409/1302331445




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