車に乗りたくなるテレビ番組-Top Gearに見るオールドメディアの可能性

http://www.topgear.com/uk/





アウォードの応募締め切りから早くも一ヶ月が過ぎました。
21日(火)の結果発表まであと一週間ほどです。


それまで待ちきれない、あるいは雨が多くて手持ち無沙汰だというあなたに、今日はイギリスBBCのTop Gearという番組を紹介します。
この番組は長い歴史を持つ国民的な自動車番組(毎週日曜の夜八時からというゴールデンタイムぶりでも推察できます)で、あのBBCが作っているとは思えないほど過激な内容やブラックなユーモア、辛らつな批評、美麗なカメラワークなどがウリ。
クルマに興味がなくても楽しめます。


Wikipediaの抜粋文を読むだけで、過激さとおもしろさが伝わってくる・・・(笑)。


ときには番組の内容が行き過ぎることもあり、視聴者から借り受けたアンティークカーの車軸を曲げてしまい、オーナーを怒らせてしまったこともある。また、あまりにもひどいデザインの車や安価だが低品質な車の出来を検証した際には「このクルマの乗り方は一つだけ。覆面をかぶって乗ることだ。じゃないとこんなのを買った事が近所に知れて恥ずかしいからね。」などと酷評する。覆面代わりの紙袋を被ってレビューしていた(日産・マイクラC+C)などは街中でのレビュー中に路肩に乗り捨てられ、余りに低品質な車(当時のヒュンダイ・アクセント)に対して「なんだっけこのクルマの名前?えーっと、アクシデント(=「事故」)だっけ?」などの発言が放送された上、「奴らは家電製品のつもりで車を作ってやがる」「韓国車なら僕らにだって作れる」と言って洗濯機、乾燥機、電子レンジなどの廃家電を組み合わせて作った自作の"車"(一応、前進・後退が可能)を紹介するなどした。








イギリス軍とのコラボ企画も最高。
予算のかけ方がすごい。
Wikipediaのこの記述、ものすごいワクワク感です。



番組ではたびたびイギリス軍の協力で実現した企画が放送される。市販車と軍の車両で対決が行われたり、海兵隊上陸演習に参加したりといったものがある。現在までに陸海空軍と海兵隊の全軍が協力した。企画がある際はスタジオに参加した兵士と車両が登場する。
対決企画には「レンジローバーチャレンジャー2で鬼ごっこ」「ランサーエボリューションと陸軍の特殊車両で鬼ごっこ」「ブガッティ・ヴェイロンとユーロファイター タイフーンでドラッグレース」「ロータスエキシージでアパッチのミサイルから逃げろ」「メルセデス・ベンツ SLKとポルシェ・ボクスター、どちらがスナイパーの攻撃から逃げやすいか?」などがある。また海軍の空母から初代スティグを海に突入させたこともある。




ほかにも、「新幹線対GT-R」とか「激安中古車対決」などの企画モノは、『水曜どうでしょう』のノリに近い気がします。
以下、オススメのエピソード(ほんの一部)を紹介するので、是非ご覧下さい。














他にもおもしろいエピソードはたくさんあるので、探してみてください。
汚なめのイギリス英語の勉強にもなります。
Youtubeに公式ページがあり、字幕が欲しい場合はニコニコ動画が充実しています。
クルマ好きたちのコメントを見るのもとてもおもしろい。


僕はこの番組を見ると無性にクルマに乗りたくなります。
あるいは、スーパーカーが欲しくなる(笑)。
クルマ好きにもその他の人にも、とにかくオススメの番組です(僕は普段テレビをまったく見ませんが、こんな番組があれば話は別でしょう)。



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ここ数回、「車に乗りたくなるCM/TV番組」と題して、いわゆる旧来型のマス媒体を活用した(広義の)プロモーションの諸々を紹介してきました。
そもそも今回TOYOTA SOCIAL APP AWARDが開催された背景には、そういった既存のマスメディアの影響力がますます弱まっているという現実があります。


しかし、テレビ広告や番組、あるいは雑誌広告などの"手段"そのものを単純に否定するのではなく、時代の変遷や生活者の嗜好に応じてその"方法論"を変えていくという視点が重要ではないでしょうか。
そういった意味で、海外のCMやテレビ番組から学ぶことは多いように思えます(Top Gearレベルの番組はおろか、そもそも自動車番組自体がほとんど存在しないのが日本の現状ですが)



欧米に比して日本の自動車文化が脆弱であることは疑いようがなく、それが若者の車離れの一因であることは間違いないでしょう。
そういった状況に風穴をあけるようなコンテンツやプロモーション施策が、ソーシャルアプリやインターネットはもちろん、テレビや雑誌などの4マス媒体からも(あるいはメディアミックスで)生まれてくることを期待します。
大衆の文化を形成する上で、特にテレビの影響力は今後もしばらく失われることはないでしょう。







いずれにせよ、日本はこれだけのクルマ大国であるにもかかわらず、国民的なクルマ番組がなく、子供が夢中になるクルマ漫画もなく、モータースポーツは新聞やテレビでほとんど取り上げられず、クルマのCMはエコや減税を叫ぶばかりというのは、やはりどこか寂しい。
「若者のクルマへの関心を高める○○」、「クルマの楽しさ、おもしろさを伝える○○」・・・その○○が"ソーシャルアプリ"のみである必要も必然性もないのです。


・・・そんなことを思いながらも、夜な夜なTop Gearを見ては笑い、感動し、クルマがもっと好きになる僕です。



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・まとめ

(過去に公開した僕のアイデアなどはこちら)

http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110430




TOYOTA SOCIAL APP AWARD最優秀賞で東北復興に50万円寄付!

http://justgiving.jp/c/3226




TOYOTA SOCIAL APP AWARDに挑む僕の本棚−参考文献リスト

http://booklog.jp/users/toyotasocial