ウケるアプリのポイント③「人と人がコミュニケーションしながらクルマの楽しさを再発見し」−「もつ楽しさ」をアプリに活かす

それでは、今回は「クルマの楽しさ6つ」

選ぶ
もつ
いじる
走る
出かける
つながる

の二つ目「もつ」について、どんなアプリ(あるいは機能)が考えられるかを、アプリ考案マトリックスで見ていきます。

「クルマをもつ」という点について、「リアルで快を増やす」〜「バーチャルで不快を減らす」上でどんなアプリ(あるいはその機能)が考えられるかを、青の楕円でプロットしています。

※既存のアプリで「選ぶ」に当てはまるものについては、ベージュの楕円(+赤の点線)でマトリックス上にプロットしています。
※前回同様こちらも適宜変更する可能性があるので、ベータ版とお考え下さい。



以上。
吹き出しに書きましたが、車を持つことの「快」は

・所有感
・クルマが生活の中心に
・パートナー

などの言葉で表され、それをどうアプリに組み込むかを考えています。

逆に車を持つことの「不快」は、まさに
「維持費、イタズラ、盗難、事故が心配」
といった感じでしょう。

しかし、これらを解決することは、少なくともアウォードの趣旨にはあまり合致しません。


マトリックスの中身について。
カテゴリーとしては

・ディーラー系
・エンジョイ!リアルカーライフ系(なんじゃそりゃ)
・ゲーム系いろいろ
アバター系(ゴリ押しです)


が目立ちます。
前回の「選ぶ」で説明したように、「ディーラー系」はニーズがありそうですがアウォードではウケなそう。
一方で、エンジョイ!リアルカーライフ系と、ゲーム系、おなじみ(ですよね)アバター系はいずれもいいネタになりそうです。

「車を持つ」ことの楽しさは、繰り返しになりますが「クルマが生活の一部(パートナー)になる」点にあります。


前回の記事で

あるいは「アバCAR」がアウォードで生まれたいろいろなゲームが集まるトヨタソーシャルワールド(仮称)上のヴィークル(文字通り”乗り物”であり、媒介/仲介として機能するという意味)になるかもしれません。

レースゲームにも洗車ゲームにも、あるいはお役立ちナビアプリにも自分の愛するクルマが登場することで、ユーザーのロイヤリティが高まるのです。

もっといえば、「アバCAR」が怪盗ロワイヤルなどの人気ゲームに登場する(ゲーム上で使える)のだって大アリです。むしろ他の人気ゲームやアプリとのコラボは必須とさえいえますし、それこそがアウォードの(それはそれは豪華な)後援企業のバックアップを最大限利用できるポイントの一つでしょう(それについては次回「もつ楽しさ」のときにお話します)。

「このアバCARはスピードがあるけど、このゲームのこのステージでは燃費が求められるから、別の車にしとこうかな・・・」云々という作業をゲームを進める上ですることになれば、それはまさに「クルマを選ぶ楽しさ」の再現ですよね。

と述べましたが、言い換えれば、トヨタ発のものであれ怪盗ロワイヤルに代表される他のゲームアプリであれ、アバCARをゲーム上で使えるものを「アバCAR対応アプリ」としてブランド化(シリーズ化)するということ。

アバCARのユーザーはせっかくなら自分の愛車が使えるゲームで遊びたいと思うでしょうし、あるいはアバCAR対応ゲームをプレイしたユーザーが、回りの様子を見て自分もアバCARを使い始めることもありえます。アバCAR対応にすれば一定の需要が見込めるという意味で、アプリのプロバイダーにも都合がいい。

アバCAR自体に育成ゲーム的な要素を盛り込んだり、あるいはマトリックス上にも書いたようにリアルで所有しているクルマとアバCARを連動させれば、ユーザーはもう四六時中クルマと一緒にいれますね(笑)。

「リアルとの連動」については、以前も書いた「どや顔」、あるいは「こんなクルマ持ってるんだぜ」アピールをしたい男心や、あるいは「車で男の格を見定める」女心(絶滅危惧種)を刺激するという狙いもあります。

もちろんリアルでクルマを持っていない人もアバCARで好きな車(LFAのようなスーパーカーはゲームをやりこまないと所有できないようにしたほうがおもしろそうですが)を選べますが、リアルで持っている車と同じ車種をアバターのクルマにする場合は、例えばよりリアルなグラフィックになるなど仕様を一部変えるのです。そして、他人がSNSでその人の個人ページを見たら、「この人は○○に乗っているんだ」とわかるようにする。それが、リアル/バーチャル双方での「車の所有感」を高めてくれるのです

さらにケータイ上でペットのようにできたり、あるいはスマートフォンのアプリとして運転中にしゃべりかけてくるようにしたら、もう最高ですね(笑)。

例えば高速で法定速度を超えたら「ひゃーーーー、こわいよぉぉぉ!!!」と(甲高い声で)叫んできたらアクセルを緩めてあげたくなります(叫ばなくても法定速度は守りましょう)し、段差を越えるときに「いてててー」とつぶやいたら運転が自然とソフトになる。
あるいは「最近雨が多かったね〜♪そろそろ洗車だよ〜♪」なんて歌いだしたら、週末は一生懸命洗車でしょう(笑)。・・・天気予報と連動させれば、それくらいのことは自然なタイミングで言ってくるでしょうし。


それにしても、冗談抜きで「クルマがしゃべったら楽しいのにな」と思います。

トヨタの渡辺元社長は「走れば走るほど空気がきれいになるクルマ、人を傷つけないクルマ、乗ると健康になるクルマ、無給油でアメリカ大陸を横断できるクルマ 」を作りたい(作れ)といいましたが、それに加えて「しゃべるクルマ、友達になれるクルマ」なんてのも素敵でしょう。


運転への集中力の低下などの問題もあるのでしょうが、既存のクルマはコミュニケーションの要素が少なすぎる気がします。
例えばエンジンスタートしたらディスプレイに「Are You Ready?」と出るだけで興奮する(Ready to Dance?とかReady to Roll?とかでもいい)というのに、しゃべったりしたらどうなってしまうことか(笑)

あるいはハザードでの「ありがとう」も、なんとなくもどかしい。もっとストレートにthanksが伝えられないものか。
二車間のコミュニケーションとなるともっと「気をとられて事故につながる」云々の議論になると思うのですが、「相手のほうを向き、おじぎをしたり手を挙げたりして、正面に着いたらハザードをたく」という一連の作業で、十分に気をとられている気がします。思いっきり気をとられる「テレビが見れるカーナビ」も当たり前になっていますし。

とにかく、企業に自分を高く売りたい就活生だけでなくクルマも「コミュニケーション能力」を上げてくれれば、わざわざブレーキランプを五回点滅させて「アイシテル」を伝えなくてもよいのです。
・・・アナログな感じも、それはそれでいいのだけれど(笑)。

話がそれましたが、特にスマートフォンを活用したクルマとの(クルマを介した)コミュニケーションツールは、大化けしそうなアイデアの種といえます。
ハンズフリーのケータイがOKであれば、原理的には「しゃべる車」もOKのはず。
それらは「持つ」楽しさとともに、「走る」楽しさ、「出かける」楽しさも増幅してくれるでしょう。


・・・あ、全盛期には「天使っち」や「モスラっち」まであったのに、「くるまっち」が存在しないことにびっくりしました(笑)。