もしTOYOTA SOCIAL APP AWARDの応募者がドラッカーの『マネジメント』を読んだら

さて、ウケるアプリのポイントの二つ目「(可能な限り)後援企業のプラットフォーム上で動く/バッチリハマるかたちで」にいく前に、ウケるアプリのポイントの一つ目を「若者をターゲットとする」とした理由、また、アイデアを考案するにあたって、まず公式HPや関係者の発言などからから五つの「ウケるポイント(アイデア考案のポイント)」を抽出した理由について述べます。


最近ブームのドラッカーは、その代表作『マネジメント』のなかで、


"企業の目的は、顧客の創造である。したがって、企業は二つの、そして二つだけの基本的な機能を持つ。それがマーケティングイノベーションである。マーケティングイノベーションだけが成果をもたらす。"

といっています。また、

"真のマーケティングは顧客からスタートする。すなわち現実、欲求、価値からスタートする。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を問う。「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が価値ありとし、必要とし、求めている満足がこれである」と言う。"


としています。

我々がTOYOTA SOCIAL APP AWARD(トヨタ・ソーシャルアプリ・アウォード)に応募するアイデアを考える時も、この考え方が応用できます。
すなわち、「自分が思いつき、価値ありとするアイデアやシステムをいかにユーザーに使ってもらうか」ではなく、「ユーザーのニーズ(ドラッカーの言葉では”現実、欲求、価値”)を見極め、それを満たすためのアイデアを考える」という姿勢が求められるのです。
したがって、今回トヨタがターゲットとしている”若者”について知ることが、アイデア考案のスタート地点となるべきなのです。


また、我々TOYOTA SOCIAL APP AWARD(トヨタ・ソーシャルアプリ・アウォード)応募者にとっては、アプリの想定ユーザーである若者に加え、アウォードの主催者たるトヨタと、その後援企業であるSNS事業者も同程度に重要な「顧客」といえます。
つまり、

「われわれはどんなアプリを作りたいか」ではなく、「若者はどんなアプリが欲しいか」を問う。「われわれのアプリやアイデアにできることはこれである」ではなく、「若者が価値ありとし、必要とし、求めているアプリ・アイデアがこれである」と言う。

のであり、また

「われわれはどんなアプリを応募したいか」ではなく、「トヨタはどんなアプリを求めているのか」を問う。「われわれのアプリやアイデアにできることはこれである」ではなく、「トヨタが価値ありとし、必要とし、求めているアプリ・アイデアがこれである」と言う。

必要があるのです。

僕がこのブログを書くにあたり、拙速に思い付きを並べたりアイデアの種を羅列するのではなく、まずは「トヨタが求め、したがってアウォードでもウケるであろうアプリのポイントを五つ抽出した」のも、あるいはそのポイントの一番を「若者をターゲットとする」としたのも、全て「顧客からスタートする」というドラッカーの言葉に裏付けられたものです。

そして、この姿勢・態度・価値観は、あらゆるビジネス上の問題解決に応用できるものだと思います。皆さんも是非、TOYOTA SOCIAL APP AWARD(トヨタ・ソーシャルアプリ・アウォード)への応募にあたって、「顧客からスタートする」を実践してみてください。