トヨタ×マイクロソフトの戦略的提携とTOYOTA SOCIAL APP AWARDとクルマアプリ−クルマと人が、もっと仲良くなるために



「クルマのIT化」がいわれて久しいですが、先頃発表されたトヨタマイクロソフトの提携強化によって、その現実味が一層増してきました。
ダッシュボードにiPhoneiPadはめこめばいいんじゃない?」という素朴な感覚が、事実大いにアリだといえるほどにITデバイスの性能は上がっています。


そして、トヨタマイクロソフトの共同会見やそれに伴う関係者の発言は、今回のアウォードに応募するソーシャルアプリ(特にスマホなどを使ってリアルでの活用を想定するもの)を考える上でも非常に示唆に富んでいます



マイクロソフトトヨタ、次世代テレマティクスのプラットフォーム構築に向けた戦略的提携について基本合意
http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3984

・EV向けアプリとクラウドに注目 Microsoftトヨタの提携
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/column/infostand/20110411_438824.html

・米Microsoftトヨタの次世代テレマティクス提携、国内の取り組みを説明
http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20110408_438398.html



詳しくはリンク先をご覧いただき、以下では僕が特に重要だと思う点を引用します(引用元複数、順不同)。
※ぶつ切りよりも一連のコンテキストの中で読んだほうが理解度は高いと思います。
・・・まぁあまり細かく切れていないですが。

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トヨタ自動車Microsoftが戦略的提携を発表した。共同して、クラウドベースの車載システムやスマートグリッド技術を開発する。まず2012年から、トヨタが日米で販売するプラグインハイブリッド車(PHV)と電気自動車(EV)で利用できるようにしたあと、2015年までにグローバルなクラウドプラットフォームを構築する。


・両社がトヨタのソフト子会社であるトヨタメディアサービスが行う10億円の増資を引き受け、Microsoftクラウドプラットフォーム「Windows Azure」を使った、新しいテレマティクスを開発するという内容だ。サービス例としては、GPSシステム、エネルギー管理、マルチメディア技術などが挙がっている。 ナビゲーション、メッセージ、エンターテインメントなどを利用できる車載システムは、次第に開発・搭載が進んでいる。


まずはPHVやEVのユーティリティ向上を図ることを主眼とするものの、それに留まらずナビやエンターテインメントにも波及する。
TOYOTA SOCIAL APP AWARDで生み出されるアプリたちもモロに関係してきます。




・Ballmer氏は会見で、トヨタとの提携はFordのSyncとは「別のモノ」と述べ、Fordが車に搭載されるコンポーネントに依存するのに対し、トヨタとはクラウドによりアプリの形で情報を提供すると説明した。

・Azureがアプリストア的役割を果たし、サードパーティ開発者が車向けにソフトウェアを開発・提供するようなシナリオも描けるとしている。


クルマ向けのアプリ市場(相当でかい市場です)が近々現れます。
アウォードに出すアイデアも、中長期的にはそのような市場でウケることを志向すべきかもしれません。
アップルのiPhoneによって巨大なスマホ向けアプリ市場が誕生しましたが、クルマも同じようなビッグバンを起こすかも。
今から動けば先行者利益とれますね。
・・・プログラミングできる方、一緒にどうですか(笑)?




Microsoftトヨタは10年来の関係にあるというが、今回の提携についての話し合いは1月に始まったといい、速攻で決まったようだ。そのためか、提携の全容は見えず、サービスの具体的な内容も明らかになっていない。


繰り返しになりますが、クラウド活用によってEVやPHVの実用性を補完するのみに留まらず、まだまだ可能性は未知数です。
アプリアイデアの考案においては、最大限までその"可能性"を膨らませ、理想的な環境を前提としてみるのもおもしろいですね。





・Murphy氏は、この提携が「ITの将来を象徴している」と読み解く。「ITリーダーは自社の製品が何であれ、どう新しい方法でITをフィットさせるかを問うべきだ」と述べ、モバイル、クラウドコンピューティングソーシャルネットワークなどの新しい手段を使って、何ができるのかを問うべきだとアドバイスする。


アウォードの挑戦者たる私たちが問い、また問われているのも、まさにそれです。




・Ballmer氏と豊田氏のWebキャスト会見でモデレーターを務めたGartnerの自動車業界アナリスト、Thilo Koslowski氏は「自動車は運送手段からコンパニオンになる」と述べた。その背後にはクラウドがあるということだろう。


コンパニオン、つまり"仲間"や"連れ"としてのクルマ。
「単なる輸送手段」を越えた価値の提供が無ければ若者の車離れは解決しようがなく、その"価値"の大きな可能性として、クラウドの活用によるクルマのさらなるIT化があるのです。
われわれのアプリアイデアは、「自動車のコンパニオン化」に一役買えているでしょうか?




・このグローバルクラウドプラットフォームを活用した具体的なサービスイメージについてトヨタの友山氏は、「スマートフォンからEV、PHVの充電開始時刻を設定したり、充電中にエアコンを起動したり、電力残量や移動可能距離、充電スポットを確認できるサービスを提供する。また、走り方から燃費を把握し、エコ運転をアドバイスするサービスなども、Windows Azureをベースにしたグローバルクラウドプラットフォームから提供していきたい」とし、2012年から販売開始するEV、PHVに向けて日米同時でサービスリリースしたい考えを示した。


スマホでの充電開始時刻設定やエアコンの遠隔操作・・・それだけではおもしろくないですし、日産のリーフもすでに同じような仕組み/アプリを提供しています。
いずれにせよ2012年にはプラットフォームが用意され、それ以後はそこに乗っかるアプリが多数登場し、ナビやエンタメなどの方面に拡大していくのでしょう。




・提携にあたって、Microsoftスティーブ・バルマーCEOは、「今回のトヨタ自動車との戦略的提携は、『お客さまの車内でのコネクテッドエクスペリエンス』の実現に向けた、自動車産業への継続的な投資である」とコメント


車内での「コネクテッドエクスペリエンス」とは、ソーシャルエクスペリエンスとも言い換えられるでしょう。
排他的な空間であったクルマをいかにソーシャル化するかという点が、やはり肝要です。




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以上。
発表どおり2012年に始まり2015年くらいにはより理想的な形でクルマのIT化(クラウドプラットフォーム化)が進んでいると仮定すると、例えばソーシャルドライブナビ(http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110316/1300264685)やブーリンガル(http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110324/1300964417)など、スマホ活用を想定していたアプリがより自然かつ理想的なかたちで動く土俵を得ることになります。
その"つなぎ"としてスマホを捉えるのも、大いにありでしょう。


もっと言うと、皆さんが考案したアプリが、近い将来世界中のトヨタ車にプリインストールされるかもしれません
あたかもケータイやPCにユーティリティ系アプリのみならずゲームなども初めから用意されているように。
いわば"当たり前の顔"をして。
「あそんでも、ええんやで?」っていう顔をして。
「だってわし、きみのコンパニオンやん?」とささやいて。



いやー、ワクワクしますね。


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・まとめ(初めての方や過去記事を参照したい方はコチラ)

http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110409/1302331445



TOYOTA SOCIAL APP AWARD最優秀賞で東北復興に50万円寄付!

http://justgiving.jp/c/3226




TOYOTA SOCIAL APP AWARDに挑む僕の本棚−参考文献リスト

http://booklog.jp/users/toyotasocial