トヨタ式企画書術−イイタイコトを、簡潔に


今日は「トヨタ式の企画書作り」を紹介します。
TOYOTA SOCIAL APP AWARDに出す企画書を作るうえで参考になる点を探しましょう。


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トヨタ式企画書の特徴は、「A3で1枚にまとめられている」こと(もちろんあらゆる企画書がそのフォーマットを取るわけではないでしょうが、「簡潔にまとめる」という考え方が重要)。


"A3で1枚"の肝心の中身についてググってみると、諸説あるようです。


以下長いですが、例えば・・・



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・昔は1枚の紙に(用件を)起承転結で内容をきちんとまとめたものだ

・「問題定義と背景」「要因分析」「実行スケジュール」「結論」「今後の課題」でA3「1枚」。

・A3用紙を四つのエリアに分割し、それぞれに事業目的、企画内容、実行計画、販売戦略といったエッセンスを簡潔にまとめます

・A3サイズはトヨタ標準で、「現状分析」「問題点」「解決方法」「実行計画」を「図表」を使いひと目でわかるようにまとめることを旨としている。

・課題、解決の方向性、解決策、その検証法などがコンパクト(というより、ぎっしり)詰め込まれ

・内容は、大きく5項目あります。 ・背景や今回の目的など ・現状把握 ・要因分析 (or 要因解析) ・今回の実施プラン的なもの(改善案・対策案・実行計画等) ・スケジュール

・●課題は紙面上部に1行程度に凝縮・精査して書く。●結論は紙面下部に1行程度に凝縮・精査して書く。●課題から結論を引き出す過程(仮説設定→検証内容)は 紙面中部のスペースに必要最小限の要素で理路整然とまとめる。


・今から15年前、川淵氏がJリーグを発足させたときの話です。当時、リーグへの参加を希望するクラブから、たくさんの企画書が寄せられました。本人曰く「そのなかで、一番よくできていたのがトヨタ名古屋グランパス)の企画書だった。彼らが持ってきたのは、たった2枚。Jリーグにはこういう形で参加したいとだけ書いてあった。必要なことが簡潔にわかりやすく述べられている。それで十分だった」



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以上諸説ありますが、ざっくりと3つにまとめると



①背景分析→課題や攻めどころを抽出
②企画趣旨(コンセプト/概要)
③具体案


ということです。
これを、A3用紙1枚に簡潔にまとめる。




TOYOTA SOCIAL APP AWARDに出す企画書に応用するとどうか。
アウォードの応募規約に照らして考えると、




①背景分析→課題や攻めどころを抽出(例えば「若者が車に興味を持たない→幼稚園児の段階から車好きになってもらおう!」とか)
②アプリのタイトル、コンセプト、概要
③具体案(アプリの特徴、ラフデザイン、ビジネスモデルなど)



といった感じでしょうか。



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手書きやワープロの時代にはこういった"簡潔さ"が特に重宝されたようですが、現在はプレゼン資料に留まらず企画書までパワポで作成されることが増え、その枚数はますます増える傾向にあります。
そんな現状に警鐘を鳴らしたのが、2008年当時トヨタの社長であった渡辺氏の


社内の意識はまだまだ甘い。昔は1枚の紙に(用件を)起承転結で内容をきちんとまとめたものだが、今は何でもパワーポイント。枚数も多いし、総天然色でカラーコピーも多用して無駄だ


という発言でしょう(トヨタでも「1枚企画書」ではなく「パワポ複数枚企画書」が跋扈していることを裏付けています)。

確かに、"ムダ"なスライドは極力無くしたい。




一方で、あらゆる企画の場面において"1枚企画書"が礼賛されるかというと、そうではないでしょう。
今回のTOYOTA SOCIAL APP AWARDのように、企画書のみで審査され、プレゼンや議論をする機会がない場合は尚更です。


冒頭でも述べたとおり、短絡的に「とにかく1枚にまとめなければならない」と息巻くのではなく、「イイタイコトを簡潔にまとめる」というエッセンスの部分をこそ、我々は学ぶべきだと思います。


骨組みは


①背景分析→課題や攻めどころを抽出(例えば「若者が車に興味を持たない→幼稚園児の段階から車好きになってもらおう!」とか)
②アプリのタイトル、コンセプト、概要
③具体案(アプリの特徴、ラフデザイン、ビジネスモデルなど)


をしっかりおさえており、1枚にもまとめられるものの、イイタイコトを文字やビジュアルで補強した結果として複数枚の企画書になる。
それが(特にパワポの企画書における)理想ではないでしょうか。


企画書の中でどこか削れる部分はないか、あるいはおさえるべきポイントを網羅しているか・・・是非もう一度見直してみましょう。





【参考URL】
トヨタグループが「パワーポイント」自粛令!?
http://diamond.jp/articles/-/3191

トヨタ「パワーポイント禁止」の主旨が歪みませんように!/金森 努
http://news.livedoor.com/article/detail/3648527/

・【1枚】 トヨタの「パワーポイント自粛令」に少し賛成、に私も1票!〜削ることの大事さ
http://blogs.itmedia.co.jp/akinori/2008/05/11-bda6.html

Jリーグのコンペで光った“トヨタ式の企画書”
http://pc.nikkeibp.co.jp/article/column/20081028/1009193/

・A3の企画書。
http://blog.goo.ne.jp/urat2004/e/29562d31d81c6b2a76f4b31dc32e9917

・「トヨタはA3で1枚」は都市伝説か?(A3書類の作り方)
http://jikan.livedoor.biz/archives/51635960.html

トヨタはA3「1枚」で企画書を書く。
http://ameblo.jp/kamiikedai-adman/entry-10185551096.html

トヨタ式1枚でまとめる企画書
http://oshiete.goo.ne.jp/qa/3025234.html




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・つぶやき

http://twitter.com/#!/award_challenge





・まとめ(初めての方や過去記事を参照したい方はコチラ)

http://d.hatena.ne.jp/toyota_social/20110423/1303558140





TOYOTA SOCIAL APP AWARD最優秀賞で東北復興に50万円寄付!

http://justgiving.jp/c/3226





TOYOTA SOCIAL APP AWARDに挑む僕の本棚−参考文献リスト

http://booklog.jp/users/toyotasocial